Windows 11の内蔵AIが2026年11月に入れ替わる|Phi Silica削除とAion Instruct移行の全貌
Windows 11に組み込まれているAIモデルが、2026年11月に入れ替わります。
Microsoftは公式開発者向け文書を更新し、現在のオンデバイスAIモデル「Phi Silica」を、新モデル「Aion Instruct」へ置き換えると明記しました。
予定されている流れは次のとおりです。
- 2026年9月:単体テスト用パッケージを提供予定
- 2026年10月:Windows Insider端末へAion Instructを段階配信
- 2026年11月:一般の対応端末へ配信
- 2026年11月:従来のPhi Silicaを削除
これは、単にWindowsへ新しいチャット機能が追加されるという話ではありません。
Microsoftは、文章の要約、書き換え、意図の判定、翻訳、音声認識、アプリ内AI、さらにはファイル操作やツール実行を行うAIを、クラウドではなくWindows PCの内部で動かす基盤を整えています。
今回の重要点
ChatGPTやCopilotのように、処理するたびクラウドへ通信するAIだけではありません。WindowsやEdgeに組み込まれた小型AIが、利用者のPC上で直接処理を行う時代へ移ろうとしています。
最初に結論
今回明らかになった内容をまとめると、次のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現在のWindows内蔵AI | Phi Silica |
| 後継モデル | Aion Instruct |
| Insiderへの配信 | 2026年10月予定 |
| 一般端末への配信 | 2026年11月予定 |
| Phi Silica | Aion移行後に削除予定 |
| 処理場所 | 原則として利用者のPC内 |
| クラウドAPI料金 | オンデバイス処理自体には不要 |
| インターネット | 初回モデル取得後はオフライン処理も可能 |
| 現在の試験方法 | Edge Canary/Dev 150以降 |
Aion Instructは、現在のPhi SilicaやEdge内蔵のPhi-4-miniよりも、小型、高速、高効率になるとMicrosoftは説明しています。
さらに、従来は対応が難しかった性能の低いGPUや、GPUを搭載していないPCでも、CPU推論によって利用できる範囲を広げる方針です。
ただし、全てのWindows 11 PCで必ず快適に動作するという意味ではありません。
最終版の対応CPU、必要メモリ、必要ストレージ、対応GPUなどは、まだ完全には公表されていません。
そもそもPhi Silicaとは何か
Phi Silicaは、Windows 11のオンデバイスAI機能を支える小型言語モデルです。
クラウド上の巨大なAIモデルへ毎回問い合わせるのではなく、対応するWindows PCのNPUやGPUを利用して、端末内で文章を生成します。
アプリ開発者はWindows AI APIを通じて、次のような処理をアプリへ組み込めます。
- 文章の生成
- 文章の要約
- 文章の書き換え
- 質問への回答
- 自然言語からの情報抽出
- JSON形式での構造化出力
- 文章の分類
現在のPhi Silicaは、主に次のハードウェアを対象としています。
| ハードウェア | 現在の公式対応状況 |
|---|---|
| Copilot+ PCのNPU | 対応 |
| NVIDIA GeForce RTX | RTX 30シリーズ以降、VRAM 6GB以上 |
| AMD Radeon | RX 9060シリーズ以降、VRAM 6GB以上 |
ただし、GPU版は現時点でWindows Insiderの実験環境や開発者向け設定を必要とします。
また、MicrosoftはGPUメーカーから直接取得した新しいドライバーを使用するよう案内しています。
なぜPhi SilicaをAion Instructへ置き換えるのか
現在のPhi SilicaやPhi-4-miniは、ローカルAIとして高い能力を持っています。
一方で、実行できるPCの条件が比較的厳しいという問題があります。
Microsoft Edgeの開発者向けPrompt APIでは、従来のPhi-4-miniを動かすために、少なくとも次の条件が案内されています。
- Windows 10またはWindows 11
- macOS 13.3以降
- Edgeのプロファイルがあるドライブに20GB以上の空き容量
- 5.5GB以上のGPU VRAM
- 従量制ではないネットワーク接続
特に5.5GB以上のVRAMは、一般的な事務用PCには高い条件です。
Aion Instructは、この制約を緩和することを目的としています。
MicrosoftはAion Instructについて、次のように説明しています。
- Phi-4-miniより小型
- Phi-4-miniより高速
- Phi-4-miniより高効率
- 性能の低いGPUにも対応範囲を拡大
- GPUがない端末ではCPU推論にも対応
- EdgeとWindowsアプリの両方で利用可能
現在
高性能なNPUまたはGPU
↓
ローカルAIを利用
Aion移行後
NPU
GPU
一部のCPU
↓
より多くのWindows PCで利用
これは、Copilot+ PCだけに限定されていたWindowsのローカルAI機能を、より幅広い端末へ広げる動きと考えられます。
2026年9月から11月までの移行予定
2026年9月:単体パッケージを提供予定
Microsoftの英語版公式文書では、2026年9月にAion Instructの単体サイドロード用パッケージを提供する予定とされています。
開発者はWindowsへ正式配信される前に、次の作業を行えるようになります。
- 自社アプリでの動作確認
- Phi Silicaとの出力比較
- 処理速度の測定
- メモリ使用量の測定
- LoRAの再学習
- 既存プロンプトの互換性確認
日程表記について:Microsoftの英語版文書では2026年9月と記載されていますが、一部の翻訳版文書では10月初旬と表示されています。公式文書が更新途中である可能性があるため、実際の公開日は最新の英語版情報を確認してください。
2026年10月:Windows Insiderへ配信
2026年10月には、Windows Insider Preview端末へAion Instructの段階的な配信が始まる予定です。
移行期間中はPhi SilicaとAion Instructの両方が端末に存在し、Windows Controlled Feature Rolloutによって使用するモデルが切り替えられます。
開発者向けには、レジストリ設定を使って両モデルを切り替え、比較試験できる仕組みも予定されています。
2026年11月:一般端末へ配信
2026年11月には、対応する一般向けWindows端末へAion Instructを展開する予定です。
この段階でPhi Silicaは削除され、Aion InstructがWindows AI APIの新しい基盤モデルになります。
既存アプリがPhi Silicaへ依存している場合、開発者は移行前に出力や互換性を確認する必要があります。
Aion InstructはChatGPTの代わりになるのか
Aion Instructは、ChatGPTや大規模なクラウドAIを完全に置き換えるモデルではありません。
用途が異なります。
| 項目 | Aion Instruct | ChatGPTなどのクラウドAI |
|---|---|---|
| 実行場所 | 利用者のPC | クラウド |
| 通信 | 初回取得後はオフライン利用も可能 | 原則必要 |
| API課金 | 端末内処理には不要 | サービスやAPIにより発生 |
| モデル規模 | 小型 | 大規模 |
| 最新情報 | 自動では取得しない | 検索機能等で取得可能 |
| 得意分野 | 要約、分類、書き換え、アプリ内処理 | 高度な推論、調査、複雑な生成 |
| データの場所 | 原則として端末内 | クラウドへ送信 |
Aion Instructが得意とするのは、巨大な知識を必要とする調査ではなく、アプリ内で頻繁に実行する小さなAI処理です。
想定される用途
- 選択した文章の要約
- 文章の敬語化
- メール文面の書き換え
- 入力内容の分類
- 問い合わせ内容の意図判定
- アクセシビリティ支援
- 文章から必要項目を抽出
- JSON形式への変換
- オフライン環境での文章処理
EdgeではすでにAion Instructを試せる
Aion Instructは、Microsoft Edge CanaryまたはEdge Devのバージョン150.0.4070以降で試験できます。
現時点では開発者向けプレビューであり、一般利用向けの安定機能ではありません。
有効化手順
- Microsoft Edge CanaryまたはEdge Devをインストールする
- バージョン150.0.4070以降へ更新する
edge://flagsを開くPrompt API for on-device language modelを検索する- 設定をEnabledへ変更する
Enable prerelease on-device language modelを検索する- 設定をEnabledへ変更する
- Edgeを再起動する
edge://on-device-internalsを開く- Model StatusのModel Nameを確認する
モデル名が次のように表示されれば、Aion Instructが選択されています。
Aion-1.0-Instruct
初めてPrompt APIを使用した際は、モデルのダウンロードが発生します。
モデルは各Webサイトが個別にダウンロードするのではなく、Edge内で共有されます。
ブラウザ内蔵AIをJavaScriptから動かす
EdgeのPrompt APIを使うと、WebサイトのJavaScriptから、Edgeに組み込まれたAion Instructへ文章を渡せます。
外部のOpenAI APIやAzure APIを契約しなくても、対応端末上でAI処理を実行できます。
動作確認用HTML
<!doctype html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport"
content="width=device-width, initial-scale=1">
<title>Aion Instruct 動作確認</title>
</head>
<body>
<h1>Edge内蔵AI 動作確認</h1>
<textarea
id="input"
rows="8"
cols="60"
placeholder="要約したい文章を入力してください"
></textarea>
<br>
<button id="run" type="button">
ローカルAIで要約
</button>
<p id="status"></p>
<pre id="output"></pre>
<script>
const input = document.getElementById("input");
const run = document.getElementById("run");
const status = document.getElementById("status");
const output = document.getElementById("output");
run.addEventListener("click", async () => {
output.textContent = "";
if (!("LanguageModel" in self)) {
status.textContent =
"このブラウザではPrompt APIを利用できません。";
return;
}
try {
const availability =
await LanguageModel.availability();
status.textContent =
"モデル状態: " + availability;
if (availability === "unavailable") {
return;
}
const session = await LanguageModel.create({
monitor: monitor => {
monitor.addEventListener(
"downloadprogress",
event => {
const percent =
Math.round(
(event.loaded / event.total) * 100
);
status.textContent =
"モデルをダウンロード中: "
+ percent
+ "%";
}
);
},
initialPrompts: [
{
role: "system",
content:
"あなたは日本語文章を正確かつ簡潔に"
+ "要約するアシスタントです。"
}
]
});
status.textContent =
"端末内でAI処理を実行しています。";
const result = await session.prompt(
"次の文章を3行以内で要約してください。\n\n"
+ input.value
);
output.textContent = result;
status.textContent = "完了しました。";
session.destroy();
} catch (error) {
status.textContent =
"エラー: " + error.message;
}
});
</script>
</body>
</html>
ローカルWebサーバーで開く
HTMLファイルを保存したフォルダで、次を実行します。
python -m http.server 8000
Edge CanaryまたはEdge Devで次を開きます。
http://localhost:8000
Prompt APIは試験段階です。
API名、権限、対応環境、コード仕様は、正式公開までに変更される可能性があります。
ローカルAIのメリット
クラウドAPI料金が発生しない
モデル推論は利用者のPC上で行われます。
処理のたびに外部AI APIを呼び出す必要がないため、トークン数に応じたクラウドAPI料金は発生しません。
大量の利用者がいるWebサービスでは、AI APIの利用料を抑えられる可能性があります。
入力内容が端末外へ送信されない
MicrosoftはEdgeのPrompt APIについて、モデルへの入力と出力は端末内で処理され、AIモデルの学習目的で収集されないと説明しています。
例えば次の情報を扱う場合、クラウド送信を避けられる利点があります。
- 社内文書
- 顧客からの問い合わせ
- 個人のメモ
- 未公開の文章
- 業務上の入力データ
ただし、Webサイト側のJavaScriptが別のサーバーへ入力を送信する可能性はあります。
「モデルがローカルで動く」ことと、「利用しているWebサイト全体が安全である」ことは別問題です。
オフラインでも利用できる
モデルの初回ダウンロードが完了していれば、ネットワークがない環境でもAI処理を実行できます。
工場、倉庫、移動中、閉域ネットワークなど、クラウド接続が不安定または禁止されている環境で利用できる可能性があります。
応答が安定する
クラウドとの通信遅延を受けないため、短い文章処理では応答時間を予測しやすくなります。
ただし、実際の速度はCPU、GPU、NPU、メモリ、他アプリの負荷によって変わります。
Aion Instructとは別に「Aion Plan」も登場する
MicrosoftはAion Instructとは別に、「Aion 1.0 Plan」というローカルAIモデルも発表しています。
両者は役割が異なります。
| モデル | 主な役割 |
|---|---|
| Aion Instruct | 要約、書き換え、分類などの文章処理 |
| Aion Plan | 推論、ツール実行、ファイル操作、エージェント管理 |
Aion 1.0 Planについて、Microsoftは次の仕様を公表しています。
- 140億パラメーター
- 32Kコンテキスト
- 推論能力
- ツール呼び出し
- ファイル管理
- サブエージェントの編成
- 対応Windows端末へ組み込む予定
利用者
↓
Aion Planが目的を理解
↓
必要な処理を分解
↓
ツールを呼び出す
↓
ファイルを確認・整理
↓
必要に応じて別のAIへ処理を分担
↓
結果をまとめる
これは単なる文章生成AIではありません。
Windows上で実際の作業を進めるローカルAIエージェントを想定したモデルです。
ただし、Aion Planの一般提供時期、対応PC、必要メモリ、必要VRAMなどの詳細は、2026年8月5日時点では明らかになっていません。
ファイルを操作するAIは安全なのか
Aion Planのようなモデルが、ファイルを管理し、ツールを実行できるようになると、利便性と同時に新しい危険も発生します。
- 必要なファイルを誤って削除する
- 機密ファイルを別の処理へ渡す
- 攻撃者が仕込んだ指示を読み取る
- 許可されていない外部サイトへ通信する
- ユーザーの権限で危険なコードを実行する
- 複数の正常な操作をつないで危険な結果を作る
Microsoftは、AIエージェントをWindows利用者と同じ権限で直接動かすのではなく、Microsoft Execution Containersという隔離環境で実行する構想を発表しています。
この仕組みでは、エージェントごとにアクセス可能な範囲を制限します。
AIエージェント
↓
Microsoft Execution Containers
├── 読めるフォルダを制限
├── 書き込める場所を制限
├── ネットワークを制限
├── クリップボードを制限
├── UI操作を制限
└── 操作をエージェントIDへ記録
Microsoftは、エージェントへ人間とは別のIDを割り当て、誰が行った操作なのかを区別できるようにする方針です。
ローカルAIだから自動的に安全になるわけではありません。
クラウドへの情報送信リスクは減りますが、PC内部のファイルやアプリを操作するリスクは増える可能性があります。
Windows利用者への影響
一般利用者が2026年11月に、突然「Aion Instruct」というアプリを見るとは限りません。
AionはWindowsやEdgeの裏側で、対応アプリが呼び出す共通AIモデルとして動作します。
モデルも全てのPCへ自動的に事前ダウンロードされるわけではありません。
Microsoftは、対応アプリがモデルを必要とした時点で取得する方式を採用しています。
将来的には、次のようなアプリが増える可能性があります。
- 通信なしで文章を要約するメモアプリ
- 入力文を自動修正するメールアプリ
- 社内文書を端末内で分類するアプリ
- オフラインで議事録を整形するアプリ
- ブラウザ内で文章を書き換えるWebサービス
- APIキー不要のAI搭載フリーソフト
今からAI PCを買うべきか
Aionだけを理由に、急いで高額なAI PCを購入する必要はありません。
理由は、Aion Instructの最終的なWindows版ハードウェア要件がまだ完全に公開されていないためです。
現時点で確認できるのは次の内容です。
- Aionは従来モデルより小型・高速
- 性能の低いGPUへ対応を拡大する
- Edge版はCPU推論にも対応する
- Windows版の最終要件は未確定
- Aion Planの必要メモリやVRAMも未公表
現時点でPCを選ぶ場合
ローカルAI用途を重視するなら、次を優先します。
- メモリ32GB以上
- NVMe SSD 1TB以上
- NVIDIA RTX 30シリーズ以降
- VRAM 8GB以上を推奨
- 対応NPUを搭載したCopilot+ PC
- GPUメーカーの最新ドライバーを利用できること
ただし、これはAionの正式な必須条件ではありません。
現在のローカルAI、Windows AI API、画像生成、音声認識などを幅広く利用する場合の実用上の目安です。
開発者が今すぐ行うべきこと
Phi Silica依存を確認する
Windows AI APIでPhi Silicaを利用しているアプリは、Aion移行による出力差を確認する必要があります。
- 回答の長さ
- 日本語品質
- 要約結果
- JSON出力
- プロンプトへの追従性
- 処理速度
- メモリ使用量
- 安全フィルターの違い
LoRAを再学習する
Phi Silica向けにLoRAを作成している場合、そのままAionで利用できるとは限りません。
Microsoftは、Aion用にFoundry ToolkitでLoRAを再学習するよう案内しています。
LAFトークン依存を削除する
Phi Silica APIはLimited Access Featureであり、利用には解除用トークンが必要です。
Microsoftによると、Aion InstructではLAFトークンが不要になります。
これにより、WindowsアプリへローカルAIを組み込む際の手続きが簡略化される可能性があります。
モデルが存在しない場合へ対応する
全てのPCでモデルが利用できるとは限りません。
アプリ側では、必ず利用可能状態を確認します。
const availability =
await LanguageModel.availability();
switch (availability) {
case "available":
// すぐ利用できる
break;
case "downloadable":
// モデルのダウンロードが必要
break;
case "downloading":
// ダウンロード中
break;
case "unavailable":
// クラウドAPIや通常処理へ切り替える
break;
}
ローカルAIが使えない場合に備えて、クラウドAI、従来処理、機能無効化などの代替経路を用意すべきです。
Aion Instructで変わること
これまで
AI機能を作る
↓
OpenAIやAzure等のAPIを契約
↓
APIキーを管理
↓
入力をクラウドへ送信
↓
利用量に応じて課金
これから
AI機能を作る
↓
WindowsやEdgeの組み込みAPIを呼ぶ
↓
端末内モデルを利用
↓
端末内で処理
↓
クラウドAPI料金なし
全てのAI処理がローカルへ移るわけではありません。
高度な推論、最新情報の検索、巨大な文書処理、画像生成などは、引き続きクラウドAIが有利です。
一方、毎回クラウドへ送る必要がない小さな処理は、端末内AIへ移行していく可能性があります。
よくある質問
Aion Instructは無料ですか
WindowsやEdgeの端末内モデルとして使用する処理には、クラウドAIのようなトークン単位のAPI料金は発生しないとMicrosoftは説明しています。
ただし、対応Windows、アプリ、PC、電力、通信、ストレージなどの費用は別です。
全てのWindows 11 PCで使えますか
まだ確定していません。
Edgeの開発者版では、Aionは性能の低いGPUやCPU推論にも対応します。
Windows一般配信版の最終的なハードウェア要件は、今後の公式発表を確認する必要があります。
インターネットなしで使えますか
初回モデルダウンロード後は、対応する処理をオフラインで実行できます。
ただし、使用するWebサイトやアプリ自体がネットワーク通信を必要とする場合は別です。
入力した文章はMicrosoftへ送られますか
EdgeのPrompt APIでは、モデルへの入力と出力は端末内で処理されるとMicrosoftは説明しています。
ただし、利用しているWebサイトや拡張機能が別途データを送信する可能性はあります。
ChatGPTが不要になりますか
不要にはなりません。
Aion Instructは、要約、書き換え、分類などの小規模な端末内処理を担当します。
高度な推論、最新情報の調査、複雑な生成は、クラウドAIの方が適しています。
日本語に対応しますか
MicrosoftはAionを文章の要約、書き換え、意図判定などに利用する計画を示していますが、正式版の日本語品質や対応範囲はまだ十分に公開されていません。
日本語で業務利用する場合は、正式配信後に独自の評価が必要です。
まとめ
Microsoftは、Windows 11のオンデバイスAIを、Phi SilicaからAion Instructへ移行します。
2026年10月にWindows Insiderへの配信を開始し、11月には一般端末へ展開して、Phi Silicaを削除する予定です。
Aion Instructは、従来モデルより小型、高速、高効率になり、性能の低いGPUやCPU推論へ対応範囲を広げます。
さらにMicrosoftは、140億パラメーターでファイル管理やツール実行、サブエージェント編成を行うAion Planも準備しています。
Windowsは、単にAIチャットを表示するOSではなく、アプリがローカルAIを共通機能として利用するOSへ変わろうとしています。
文章の要約
文章の書き換え
データ分類
情報抽出
翻訳
音声認識
ファイル操作
ツール実行
エージェント管理
これらの一部が、クラウドへ送信せず、API料金も発生させず、利用者のPC内で動作するようになります。
ただし、ローカルAIだから安全とは限りません。
ファイル操作やツール実行が可能になるほど、AIをどの権限で動かし、どのファイルやネットワークへアクセスさせるかが重要になります。
2026年11月のAion移行は、WindowsのAI機能が「クラウド上の便利なチャット」から「PCの内部で動き、実際のアプリ処理を担当する基盤」へ変わる大きな転換点です。
公式資料
- Microsoft Learn:Phi SilicaからAion Instructへの移行予定
- Microsoft Learn:Edge Prompt APIとAion Instruct
- Microsoft Edge Blog:EdgeのオンデバイスAI拡張
- Windows Developer Blog:Aion 1.0 InstructとAion 1.0 Plan
- Windows Developer Blog:AIエージェント向けWindowsセキュリティ
本記事は2026年8月5日時点のMicrosoft公式情報を基に作成しています。Aion InstructおよびAion Planは開発・プレビュー段階を含み、提供日、対応端末、API、ハードウェア要件、モデル仕様は今後変更される可能性があります。