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SQL入門ガイド:MySQLのCREATE, ALTER, DROPを網羅的に解説

MySQLは非常に人気のあるリレーショナルデータベース管理システムです。データベースの作成や変更、削除など、データベース管理に関連するさまざまな操作を実行するためのSQLコマンドがあります。この記事では、MySQLの「Create, Alter, Drop」ステートメントに焦点を当て、基本構文から応用的な使い方まで網羅的に解説します。また、テーブル、ビュー、トリガー、インデックス、プロシージャ、関数など、さまざまなオブジェクトの作成と変更についても詳しく説明します。

基本構文

生成:CREATEオブジェクト種類名オブジェクト名オブジェクトに応じた各種情報;
破棄:DROPオブジェクト種類名オブジェクト名;
変更:ALTERオブジェクト種類名オブジェクト名オブジェクトに応じた各種情報;

目次

Createステートメント

データベースオブジェクトの生成にはCREATE文を使用します。MySQLで扱えるオブジェクトの種類には次のものがあります。

  1. データベース (スキーマ) (DATABASE)
  2. テーブル(TABLE)
  3. インデックス(INDEX)
  4. ビュー(VIEW)
  5. トリガ(TRIGGER)
  6. ストアドファンクション(FUNCTION)
  7. ストアドプロシージャ(PROCEDURE)
  8. イベント(EVENT)
  9. 空間情報(SPATIAL REFERENCE SYSTEM)
  10. テーブルスペース(TABLESPACE)
  11. ログファイル・グループ(LOGFILE GROUP)
  12. サーバー(SERVER)

データベースの作成

データベースを作成するためには、CREATE DATABASEステートメントを使用します。以下に基本的な構文と使用方法を示します。

CREATE DATABASE データベース名;

CREATE DATABASE mydatabase;

この例では、”mydatabase”という名前の新しいデータベースが作成されます。

応用例

CREATE DATABASE IF NOT EXISTS mydatabase CHARACTER SET utf8mb4 COLLATE utf8mb4_unicode_ci;

この例では、”mydatabase”という名前のデータベースが存在しない場合にのみ作成されます。また、文字セットと照合順序も指定しています。utf8mb4は、日本語や絵文字などの多言語文字をサポートするための文字セットです。utf8mb4_unicode_ciは、文字列の比較やソート時にUnicode規則を使用する照合順序です。

データベース作成時の注意点

  1. データベース名は一意である必要があります。
  2. 一部の文字や記号はデータベース名に使用できません。例えば、スペースや特殊文字は避けるべきです。
  3. 必要に応じて文字セットと照合順序を指定することで、データの正しい処理と比較が可能となります。

データベース作成の応用例では、IF NOT EXISTSキーワードを使用して既存のデータベースと重複して作成されるのを防いでいます。また、適切な文字セットと照合順序を指定することで、データの整合性を確保します。

このようにして、CREATE DATABASEステートメントを使用することで、新しいデータベースを作成することができます。

テーブルの作成

テーブルを作成するためには、CREATE TABLEステートメントを使用します。以下に基本的な構文と使用方法を示します。

CREATE TABLE テーブル名 (
    カラム名1 データ型1 制約条件1,
    カラム名2 データ型2 制約条件2,
    ...
);

CREATE TABLE users (
    id INT PRIMARY KEY,
    name VARCHAR(50) NOT NULL,
    age INT
);

この例では、”users”という名前のテーブルが作成されます。テーブルには3つのカラムがあります。idはINT型で主キーとして定義されています。nameはVARCHAR型で長さ50の文字列を格納し、NOT NULL制約があります。ageはINT型です。

補足(MySQLで使用する主なデータ型)

MySQLにおけるデータ型は基本的に三つです。

数値型
整数型

基本的にはINT型を抑えておくと良いでしょう。

データ型値の範囲UNSIGNEDZEROFILL
TYNYINT(m)整数型(1バイト)-128〜1270〜255000〜255
SMALLINT(m)整数型(2バイト)-32768〜327670〜6553600000〜65536
MEDIUMINT(m)整数型(3バイト)-8388608〜83886070〜167772150000000〜16777215
INT(m)整数型(4バイト)-2147483648〜21474836470〜42949672950000000000〜4294967295
BIGINT(m)整数型(8バイト)-92233720368〜922337203670〜1844674407370955161500000000000000000000〜18446744073709551615
UNSIGNED

マイナス方向の数値範囲をプラス方向に全て持っていくオプションです。

ZEROFILL

0埋めできるオプションです。UNSIGNEDと同じようにマイナスの値は使えません。

浮動小数点型

多くの場合はFLOAT型を使っておけば汎用性が高く問題ありません。

データ型値の範囲
FLOAT単精度浮動小数点型-3.402823466E+38〜3.402823466E+38
DOUBLE倍精度浮動小数点型-1.7976931348623157E+308〜1.7976931348623157E+308
FLOAT(m,d)単精度浮動小数点型m:整数の桁数、1〜255桁、n:小数の桁数、0〜30桁まで指定可能
DOUBLE(m,d)倍精度浮動小数点型 m:整数の桁数、1〜255桁、n:小数の桁数、0〜30桁まで指定可能
文字型

基本的には文字列を格納する項目に関してはVARCHARを使えば良いでしょう。

データ型値の範囲
CHAR(m)固定長文字列m(文字数指定):0〜255文字
VARCHAR(m)可変長文字列m(バイト数):0〜65535バイト
TYNYTEXTテキスト型0〜255バイト(固定)
TEXTテキスト型0〜65535バイト(固定)
MEDIUMTEXTテキスト型0〜16777215バイト(固定)
LONGTEXTテキスト型0〜4294967295バイト(固定)
日付型
データ型基本フォーマット備考
DATE日付型‘YYYY-MM-DD’
DATETIME日付時刻型‘YYYY-MM-DD HH:MM:SS’
TIMESTAMP日付時刻型‘YYYY-MM-DD HH:MM:SS’
TIME時刻型‘HH:MM:SS’
YEAR[ 4 ]日付型(4桁年)‘YYYY’1901〜2155または0000が設定可能
YEAR[ 2 ]日付型(2桁年)‘YY’70〜69が設定可能(1970〜2069を指す)

応用例

CREATE TABLE IF NOT EXISTS customers (
    id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
    name VARCHAR(100) NOT NULL,
    email VARCHAR(255) UNIQUE,
    created_at TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP
);

この例では、”customers”という名前のテーブルが存在しない場合にのみ作成されます。テーブルには4つのカラムがあります。idはINT型で主キーとして定義されています。AUTO_INCREMENT属性により、新しい行が追加されるたびに自動的にインクリメントされます。nameはVARCHAR型で長さ100の文字列を格納し、NOT NULL制約があります。emailはVARCHAR型で長さ255の文字列を格納し、UNIQUE制約があります。created_atはTIMESTAMP型で、デフォルト値として現在のタイムスタンプが設定されています。

テーブル作成時の注意点

  1. テーブル名は一意である必要があります。
  2. カラム名やデータ型、制約条件は適切に指定する必要があります。
  3. テーブルには少なくとも1つのカラムを定義する必要があります。

テーブル作成の応用例では、IF NOT EXISTSキーワードを使用して既存のテーブルと重複して作成されるのを防いでいます。また、各カラムには適切なデータ型と制約条件が設定されており、データの整合性を確保しています。

これにより、CREATE TABLEステートメントを使用して新しいテーブルを作成することができます。

ビューの作成

ビューは仮想的なテーブルであり、既存のテーブルからデータを選択して表示するためのオブジェクトです。ビューを作成するためには、CREATE VIEWステートメントを使用します。以下に基本的な構文と使用方法を示します。

CREATE VIEW ビュー名 AS
SELECT 列1, 列2, ...
FROM テーブル名
WHERE 条件;

CREATE VIEW customer_emails AS
SELECT name, email
FROM customers
WHERE email IS NOT NULL;

この例では、”customer_emails”という名前のビューが作成されます。ビューは”customers”テーブルから名前とメールアドレスの列を選択し、メールアドレスがNULLでない行のみ表示します。

応用例

CREATE OR REPLACE VIEW active_orders AS
SELECT o.order_id, o.order_date, c.customer_name
FROM orders o
JOIN customers c ON o.customer_id = c.customer_id
WHERE o.status = 'active';

この例では、”active_orders”という名前のビューが作成されます。ビューは”orders”テーブルと”customers”テーブルを結合し、ステータスが「active」の注文ID、注文日付、顧客名の列を表示します。

ビュー作成時の注意点

  1. ビュー名は一意である必要があります。
  2. ビューは元のテーブルからデータを選択するため、必要な列と適切な条件を指定する必要があります。

ビュー作成の応用例では、CREATE OR REPLACEキーワードを使用して既存のビューがある場合には置き換えられるようにしています。また、JOINを使用してテーブルを結合し、複数のテーブルからデータを取得しています。

このようにして、CREATE VIEWステートメントを使用してビューを作成し、必要なデータの表示を定義することができます。

トリガーの作成

トリガーは、特定のイベントが発生した場合に自動的に実行される手続きです。トリガーを作成するためには、CREATE TRIGGERステートメントを使用します。以下に基本的な構文と使用方法を示します。

CREATE TRIGGER トリガー名
{BEFORE | AFTER} イベント
ON テーブル名
FOR EACH ROW
トリガーの内容

CREATE TRIGGER update_salary
BEFORE UPDATE
ON employees
FOR EACH ROW
BEGIN
    SET NEW.salary = NEW.salary * 1.1;
END;

この例では、”update_salary”という名前のトリガーが作成されます。トリガーは”employees”テーブルの行が更新される前に実行されます。トリガーの内容では、更新される行の給与を10%増加させるように設定されています。

応用例

CREATE TRIGGER new_order
AFTER INSERT
ON orders
FOR EACH ROW
BEGIN
    UPDATE customers
    SET total_orders = total_orders + 1
    WHERE customer_id = NEW.customer_id;
END;

この例では、”new_order”という名前のトリガーが作成されます。トリガーは”orders”テーブルに新しい行が挿入された後に実行されます。トリガーの内容では、新しい注文があった場合に、対応する顧客のtotal_ordersカラムを1増やすように設定されています。

トリガー作成時の注意点

  1. トリガー名は一意である必要があります。
  2. イベントの種類(BEFOREまたはAFTER)と実行されるテーブル、トリガーの実行時機(FOR EACH ROW)を適切に指定する必要があります。
  3. トリガーの内容はBEGINとENDの間に記述されます。

トリガー作成の応用例では、AFTER INSERTイベントを使用してトリガーを設定し、他のテーブルのデータを更新する場合を示しています。

このようにして、CREATE TRIGGERステートメントを使用してトリガーを作成し、特定のイベントが発生したときに自動的に実行される処理を定義することができます。

インデックスの作成

インデックスは、データベースのパフォーマンスを向上させるために使用されるオブジェクトであり、特定の列または列の組み合わせに対して高速なデータアクセスを可能にします。インデックスを作成するためには、CREATE INDEXステートメントを使用します。以下に基本的な構文と使用方法を示します。

CREATE INDEX インデックス名
ON テーブル名 (列1, 列2, ...);

CREATE INDEX idx_name
ON employees (last_name, first_name);

この例では、”employees”テーブルのlast_name列とfirst_name列に対して、”idx_name”という名前のインデックスが作成されます。

応用例

CREATE UNIQUE INDEX idx_email
ON customers (email);

この例では、”customers”テーブルのemail列に対して、一意の値を持つインデックスが作成されます。つまり、同じメールアドレスが複数の行に存在することは許されません。

インデックス作成時の注意点

  1. インデックス名は一意である必要があります。
  2. インデックスを作成する対象のテーブルと列を適切に指定する必要があります。
  3. インデックスはデータの検索やソートの高速化に寄与しますが、データの変更操作(挿入、更新、削除)にはわずかなオーバーヘッドがあります。

インデックス作成の応用例では、UNIQUEキーワードを使用して一意の値を持つインデックスを作成する方法を示しています。これにより、データベース内の特定の列に重複する値が存在しないように制約を設定することができます。

このようにして、CREATE INDEXステートメントを使用してインデックスを作成し、データベースの検索やソートのパフォーマンスを向上させることができます。

ストアドプロシージャの作成

ストアドプロシージャは、データベース内で実行される一連のSQLステートメントをまとめた手続きです。ストアドプロシージャを作成するためには、CREATE PROCEDUREステートメントを使用します。以下に基本的な構文と使用方法を示します。

CREATE PROCEDURE プロシージャ名 (パラメータ1 データ型, パラメータ2 データ型, ...)
BEGIN
    プロシージャの内容
END;

CREATE PROCEDURE get_employee(IN employee_id INT)
BEGIN
    SELECT * FROM employees WHERE id = employee_id;
END;

この例では、”get_employee”という名前のストアドプロシージャが作成されます。このプロシージャはemployee_idという入力パラメータを受け取り、employeesテーブルから該当する従業員の情報を取得します。

応用例

CREATE PROCEDURE update_order_status(IN order_id INT, IN new_status VARCHAR(20))
BEGIN
    UPDATE orders SET status = new_status WHERE id = order_id;
END;

この例では、”update_order_status”という名前のストアドプロシージャが作成されます。このプロシージャはorder_idとnew_statusという2つの入力パラメータを受け取り、ordersテーブルの指定された注文のステータスを更新します。

ストアドプロシージャ作成時の注意点

  1. プロシージャ名は一意である必要があります。
  2. プロシージャの内容はBEGINとENDの間に記述されます。
  3. 必要な場合、パラメータをプロシージャに渡すことができます。

ストアドプロシージャ作成の応用例では、ストアドプロシージャに複数の入力パラメータを渡す方法を示しています。これにより、プロシージャ内で受け取ったパラメータを使用してデータの操作やクエリを行うことができます。

これによって、CREATE PROCEDUREステートメントを使用してストアドプロシージャを作成し、データベース内の複雑な処理や再利用可能なロジックをまとめることができます。

ストアドファンクションの作成

ストアドファンクションは、データベース内で実行される一連の処理を行い、結果を返す関数です。ストアドファンクションを作成するためには、CREATE FUNCTIONステートメントを使用します。以下に基本的な構文と使用方法を示します。

CREATE FUNCTION ファンクション名 (パラメータ1 データ型, パラメータ2 データ型, ...)
RETURNS 戻り値のデータ型
BEGIN
    ファンクションの内容
    RETURN 戻り値;
END;

CREATE FUNCTION calculate_total_price(quantity INT, price DECIMAL(10,2)) RETURNS DECIMAL(10,2)
BEGIN
    DECLARE total DECIMAL(10,2);
    SET total = quantity * price;
    RETURN total;
END;

この例では、”calculate_total_price”という名前のストアドファンクションが作成されます。このファンクションは数量と価格を入力パラメータとして受け取り、それらの値を掛け合わせた結果を戻り値として返します。

応用例

CREATE FUNCTION get_customer_discount(customer_id INT) RETURNS DECIMAL(5,2)
BEGIN
    DECLARE discount DECIMAL(5,2);
    SELECT discount_rate INTO discount FROM customers WHERE id = customer_id;
    RETURN discount;
END;

この例では、”get_customer_discount”という名前のストアドファンクションが作成されます。このファンクションは顧客IDを入力パラメータとして受け取り、顧客の割引率をデータベースから取得して戻り値として返します。

ストアドファンクション作成時の注意点

  1. ファンクション名は一意である必要があります。
  2. ファンクションの内容はBEGINとENDの間に記述されます。
  3. RETURNSキーワードを使用して戻り値のデータ型を指定する必要があります。

ストアドファンクション作成の応用例では、DECLAREキーワードを使用してローカル変数を宣言し、SELECTステートメントを使用してデータベースから値を取得する方法を示しています。

これによって、CREATE FUNCTIONステートメントを使用してストアドファンクションを作成し、データベース内の特定の処理をカプセル化して再利用可能な関数として使用することができます。

Alterステートメント

Alterステートメントは、既存のデータベースオブジェクト(テーブル、ビュー、トリガー、プロシージャなど)の定義を変更するために使用されます。Alterステートメントにはさまざまなオプションがあります。以下では、テーブルの変更や拡張、データベースオブジェクトの追加など、一般的なAlterステートメントの使用方法について解説します。

テーブルの変更

テーブルの変更にはさまざまな操作があります。代表的なものとして、カラムの追加、カラムの削除、カラムのデータ型の変更などがあります。

ALTER TABLE テーブル名
{ADD | DROP | MODIFY} カラム名 データ型;

ALTER TABLE employees
ADD COLUMN email VARCHAR(255);

この例では、”employees”テーブルに新しいカラム”email”を追加します。データ型としてVARCHAR(255)が指定されています。

応用例

ALTER TABLE orders
DROP COLUMN order_date;

この例では、”orders”テーブルから”order_date”カラムを削除します。

テーブルの拡張

テーブルの拡張には、主キーや外部キーの追加、インデックスの追加などがあります。

ALTER TABLE テーブル名
{ADD | DROP} {PRIMARY KEY | FOREIGN KEY | INDEX} キー名;

ALTER TABLE customers
ADD PRIMARY KEY (id);

この例では、”customers”テーブルに新しい主キー”id”を追加します。

応用例

ALTER TABLE orders
ADD FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(id);

この例では、”orders”テーブルに外部キー”customer_id”を追加し、”customers”テーブルの”id”列と関連付けます。

データベースオブジェクトの追加

Alterステートメントは、テーブル以外のデータベースオブジェクト(ビュー、トリガー、プロシージャなど)の追加にも使用できます。

ALTER DATABASE mydatabase
ADD VIEW myview AS SELECT * FROM employees;

この例では、”mydatabase”データベースに新しいビュー”myview”を追加し、”employees”テーブルのすべてのデータを表示します。

データベースオブジェクトの変更

Alterステートメントは、既存のデータベースオブジェクトの定義を変更するために使用できます。

ALTER VIEW myview
AS SELECT * FROM employees WHERE department = 'Sales';

この例では、”myview”という名前のビューの定義を変更し、”employees”テーブルから”Sales”部門のデータのみを表示するようにします。

データベースオブジェクトの削除

Alterステートメントは、データベースオブジェクトを削除するためにも使用できます。

ALTER TABLE employees
DROP COLUMN email;

この例では、”employees”テーブルから”email”カラムを削除します。

応用例

ALTER DATABASE mydatabase
DROP VIEW myview;

この例では、”mydatabase”データベースから”myview”という名前のビューを削除します。

Alterステートメントは、データベースの定義を変更するための重要なツールです。テーブルやデータベースオブジェクトの変更、拡張、追加、削除など、さまざまな操作を実行するために使用されます。正確な構文と適切なオプションを使用して、必要な変更を実行することが重要です。

テーブルのリネーム

Alterステートメントは、既存のテーブルの名前を変更するためにも使用できます。

ALTER TABLE 現在のテーブル名
RENAME TO 新しいテーブル名;

ALTER TABLE employees
RENAME TO staff;

この例では、”employees”というテーブルの名前を”staff”に変更します。

カラムの変更

Alterステートメントを使用して、既存のテーブルのカラムの定義を変更することもできます。これには、データ型の変更、NULL制約の追加または削除、デフォルト値の設定などが含まれます。

ALTER TABLE テーブル名
MODIFY カラム名 新しいデータ型;

ALTER TABLE employees
MODIFY COLUMN salary DECIMAL(10,2) NOT NULL;

この例では、”employees”テーブルの”salary”カラムのデータ型をDECIMAL(10,2)に変更し、NULL制約を追加します。

応用例

ALTER TABLE orders
ALTER COLUMN quantity SET DEFAULT 1;

この例では、”orders”テーブルの”quantity”カラムのデフォルト値を1に設定します。

インデックスの追加・削除

Alterステートメントを使用して、既存のテーブルにインデックスを追加または削除することができます。

ALTER TABLE テーブル名
{ADD | DROP} INDEX インデックス名;

ALTER TABLE products
ADD INDEX idx_product_name (product_name);

この例では、”products”テーブルに”product_name”カラムに対するインデックス”idx_product_name”を追加します。

応用例

ALTER TABLE products
DROP INDEX idx_product_name;

の例では、”products”テーブルから”idx_product_name”という名前のインデックスを削除します。

Alterステートメントを使用することで、既存のテーブルやデータベースオブジェクトの構造や定義を柔軟に変更することができます。テーブルの名前変更、カラムの変更、インデックスの追加や削除など、さまざまな操作を行いデータベースを最適化したり、要件に合わせて調整したりすることができます。

ビューの変更

Alterステートメントは、既存のビューの定義を変更するために使用することもできます。

ALTER VIEW ビュー名
AS 新しいビューの定義;

ALTER VIEW sales_summary
AS SELECT product_id, SUM(quantity) AS total_quantity, SUM(price) AS total_price
FROM sales
GROUP BY product_id;

この例では、”sales_summary”という名前のビューの定義を変更し、”sales”テーブルから商品ごとの総数量と総価格を計算するクエリを使用します。

デフォルト値の変更

Alterステートメントを使用して、既存のテーブルのカラムのデフォルト値を変更することもできます。

ALTER TABLE テーブル名
ALTER COLUMN カラム名 SET DEFAULT 新しいデフォルト値;

ALTER TABLE employees
ALTER COLUMN email SET DEFAULT 'N/A';

この例では、”employees”テーブルの”email”カラムのデフォルト値を”N/A”に変更します。

テーブルの移動

Alterステートメントを使用して、既存のテーブルを別のデータベースに移動することができます。

ALTER TABLE テーブル名
RENAME TO データベース名.テーブル名;

ALTER TABLE employees
RENAME TO mydatabase.employees;

この例では、”employees”テーブルを”mydatabase”データベースに移動します。

Alterステートメントを使用することで、既存のデータベースオブジェクトを柔軟に変更することができます。テーブルの定義やビューの定義の変更、デフォルト値の変更、テーブルの移動など、データベースの構造や動作を調整するための機能が提供されます。適切な構文とオプションを使用して、データベースの変更を安全かつ効果的に行ってください。

トリガーの追加・変更・削除

Alterステートメントは、既存のテーブルに対してトリガーを追加、変更、削除するために使用できます。

トリガーの追加

ALTER TABLE テーブル名
ADD TRIGGER トリガー名
{BEFORE | AFTER} {INSERT | UPDATE | DELETE}
ON テーブル名
FOR EACH ROW
トリガーボディ;

ALTER TABLE orders
ADD TRIGGER update_stock
AFTER INSERT ON orders
FOR EACH ROW
UPDATE products
SET stock = stock - NEW.quantity
WHERE id = NEW.product_id;

この例では、”orders”テーブルに新しい行が挿入された後に実行されるトリガー”update_stock”を追加します。トリガーボディ内で、”products”テーブルの在庫数を更新するために”NEW”キーワードを使用しています。

トリガーの変更

ALTER TABLE テーブル名
MODIFY TRIGGER トリガー名
トリガーボディ;

ALTER TABLE orders
MODIFY TRIGGER update_stock
UPDATE products
SET stock = stock - NEW.quantity
WHERE id = NEW.product_id;

この例では、既存のトリガー”update_stock”のトリガーボディを変更しています。

トリガーの削除

ALTER TABLE テーブル名
DROP TRIGGER トリガー名;

ALTER TABLE orders
DROP TRIGGER update_stock;

この例では、”orders”テーブルからトリガー”update_stock”を削除します。

トリガーはデータベースイベントに対して自動的に実行されるプログラムであり、データの一貫性を維持したり、特定のアクションを実行したりするために使用されます。Alterステートメントを使用することで、既存のテーブルにトリガーを追加、変更、削除することができます。正確な構文と適切なトリガーボディを指定して、必要なトリガーを作成してください。

データベースオブジェクトのコメント

Alterステートメントを使用して、データベースオブジェクトにコメントを追加、変更、削除することができます。コメントはデータベースオブジェクトの説明やドキュメンテーションとして使用されます。

コメントの追加

ALTER TABLE employees
COMMENT 'This table stores employee information.';

この例では、”employees”テーブルに対してコメントを追加しています。コメントは「This table stores employee information.」です。

コメントの変更

ALTER TABLE employees
COMMENT 'This table stores information about company employees.';

この例では、既存のコメントを変更しています。

コメントの削除

ALTER TABLE employees
COMMENT '';

この例では、既存のコメントを削除しています。

コメントを使用することで、データベースオブジェクトに関する追加情報や説明を提供することができます。データベースオブジェクトの種類に応じて、テーブル、ビュー、カラムなどにコメントを追加することができます。コメントはデータベースの理解とメンテナンスを助けるために役立ちます。適切なコメントを使用して、データベースオブジェクトを文書化してください。

プロシージャの変更

Alterステートメントは、既存のプロシージャの定義を変更するために使用できます。

ALTER PROCEDURE calculate_salary
BEGIN
    SELECT employee_id, hourly_rate * hours_worked AS salary
    FROM employees;
END;

この例では、”calculate_salary”という名前のプロシージャの本体を変更しています。新しいプロシージャ本体では、”employees”テーブルから従業員のIDと給与を計算して返すSELECTステートメントが実行されます。

プロシージャの変更により、既存のプロシージャの振る舞いやロジックを調整することができます。ALTERステートメントを使用してプロシージャの本体を変更し、必要なビジネスロジックや処理を追加または修正してください。

ユーザー定義関数の変更

Alterステートメントを使用して、既存のユーザー定義関数の定義を変更することができます。

ALTER FUNCTION calculate_total
RETURNS DECIMAL(10,2)
BEGIN
    DECLARE total DECIMAL(10,2);
    SET total = 0;
    
    SELECT SUM(price) INTO total
    FROM orders;
    
    RETURN total;
END;

この例では、”calculate_total”という名前のユーザー定義関数の本体を変更しています。新しい関数本体では、”orders”テーブルの価格の合計を計算し、その合計値を返すロジックが実装されています。

ユーザー定義関数の変更により、既存の関数の振る舞いや処理を調整することができます。ALTERステートメントを使用して関数の本体を変更し、必要な計算や処理を追加または修正してください。

Dropステートメント

Dropステートメントは、データベースオブジェクトを削除するために使用されます。以下では、Dropステートメントの構文と各オブジェクトの削除方法を説明します。

データベースの削除

DROP DATABASE mydatabase;

この例では、”mydatabase”という名前のデータベースを削除しています。

データベースの削除は注意が必要であり、一度削除するとデータやオブジェクトは復元できません。データベースを削除する前に、削除するデータベースに関連するすべてのデータやオブジェクトが不要であることを確認してください。

テーブルの削除

DROP TABLE customers;

この例では、”customers”という名前のテーブルを削除しています。

テーブルを削除すると、テーブルに関連するデータと構造が完全に削除されます。テーブルの削除前に、テーブル内のデータをバックアップしたり、他のオブジェクトに影響がないことを確認してください。

ビューの削除

DROP VIEW sales_summary;

この例では、”sales_summary”という名前のビューを削除しています。

ビューの削除は、ビューに関連するビュー定義とビューが参照しているテーブルには影響を与えません。ビューを削除する前に、ビューの使用状況や依存関係を確認してください。

トリガーの削除

DROP TRIGGER update_stock ON orders;

この例では、”orders”テーブルの”update_stock”という名前のトリガーを削除しています。

トリガーを削除すると、そのトリガーに関連するイベントやアクションが実行されなくなります。トリガーの削除前に、トリガーが他のオブジェクトやプロセスに依存していないことを確認してください。

インデックスの削除

DROP INDEX idx_customer_name ON customers;

この例では、”customers”テーブルの”idx_customer_name”という名前のインデックスを削除しています。

インデックスを削除すると、インデックスに関連するテーブルの検索性能が低下する場合があります。インデックスを削除する前に、インデックスの使用状況や必要性を慎重に検討してください。

プロシージャの削除

DROP PROCEDURE calculate_salary;

この例では、”calculate_salary”という名前のプロシージャを削除しています。

プロシージャを削除する前に、そのプロシージャが他のオブジェクトやプロセスに影響を与えないことを確認してください。

ユーザー定義関数の削除

DROP FUNCTION calculate_total;

この例では、”calculate_total”という名前のユーザー定義関数を削除しています。

ユーザー定義関数を削除する前に、その関数が他のオブジェクトやプロセスに影響を与えないことを確認してください。

Dropステートメントを使用することで、不要なデータベースオブジェクトを削除できます。ただし、オブジェクトの削除は注意が必要であり、削除する前にデータのバックアップや他のオブジェクトへの影響を慎重に検討してください。

まとめ

この記事では、MySQLの「Create, Alter, Drop」ステートメントについて詳細に解説しました。データベース、テーブル、ビュー、トリガー、インデックス、プロシージャ、関数など、さまざまなオブジェクトの作成と変更について理解することができます。これにより、MySQLのデータベース管理のスキルを向上させ、より効率的にデータベースを操作することができるでしょう。